生産性向上

DXをしたいなら、まずはサボることからはじめよう

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高校サッカー時代、コーチに言われた言葉で衝撃的だったのが、「点を取るためにただ走り続けるのは、体力を消耗させるだけ。たまにはボールを回して休め」という言葉でした。

それまでのコーチ、監督は、「水は飲むな、走り続けろ!」これが合言葉のような人たちばかりでした。

コーチに理由を聞くと、「無駄にずっと走っていたら、疲れるでしょ。休むときは休んで、攻め時に攻めるのが、サッカーだよ。なので、試合中もサボる時間は必要」ということでした。

ぼくたちは、その教えを信じて、走るときは、走る。サボるときはサボるというスタイルにプレイが変わり、結果、いままで県大会にも出たことのないチームが、県大会で県内屈指の競合高校と対等に試合をするというチームにまで成長しました。


先日、クライアントインタビューをするために、静岡の物流企業様に訪問しました。その企業様は、100名前後の会社で、導入から3ヶ月でRPAをフル活用して、DXが加速しています。その理由を聞いてみると、「無駄なことが嫌いだから、長時間働きたくないから。人間みんなそんなもんでしょ!?」という回答でした。

きれいごとではなく、これが仕事の心理をついていると思います。誰だって、長時間労働はしたくないし、遊びたいはず。ただ、生きるために、人生において仕事はセットになるのは仕方ない。だったら、その仕事の時間をいかに無駄なく、効率的に過ごせるかがとても大切です。


こういう話をすると、サボることを認めるのが、怖いという経営者の方もいます。その気持ちは十二分に分かります。その場合は、ちゃんと評価制度を作って運用することをお勧めします。ただ、サボっていて成果を出さない人と成果とゴールに直結する仕事をした人の評価を明確にすることで、その不安は回避できます。

あとは、サボる意味や目的をちゃんと社員に理解してもらう必要があります。そのためのミーティングやセッションを開いて伝えることも重要です。人間の基本的な性質を考えると、サボりますし、会社が社員のサボりを100%監視するのも不可能です。であれば、サボりを推奨して、本来やるべき業務に集中させるというアプローチをしたほうが、会社は成長していきます。

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