生産性向上

まだハンコで捺印しているんですか?

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働き方改革」推進の中で目玉になっているのが、ハンコの電子化です。「日本のハンコ文化」ハンコの押印は古くからの商習慣として日本に浸透してきました。押印は契約などの意思決定を明確にして、証拠付けするものとされています。でも本当にそうでしょうか?あれだけセキュリティに厳しい金融業界においても保険契約などはハンコではなく、電子でのサインで契約が締結します。

では、それでもなおハンコ文化が残る理由は何かを考えてみました。

1、歴史的背景
日本には、印鑑登録制度があります。これは1873年(明治6年)に制定されたもので、重要な契約時には必ず署名と合わせて、捺印するというもの。当時欧米のサイン文化も支持されていましたが、日本は中国の官印制度を見習うことになりました。この日まで庶民には印鑑を持つ権利がなく、天皇や武士が、その権力を表すためのものとして持てるものでした。よって、日本庶民の大多数にとってハンコを持つことで一定のステータスを満たされた歴史があり、その名残が今でも残っているのだと思われます。

2、紙問題
DXが進まない問題で出てくる紙問題もハンコがなくならない要因の一つとされています。紙があるから、ハンコを捺印するというわけです。よく、決裁書の右下に、上長、役員、代表取締役という欄があり、1人1人がそこで決裁印を捺印します。これ、紙で回らず、デジタルなワークフローで回れば、ハンコを押す必要がないのです。紙で来るからハンコを押すということも考えられます。

3、前例踏襲
印章規定というものがあります。こういう会社はハンコ文化がまだ残っています。この書類には、このハンコを誰が捺印するということを規定されているもので、捺印の基準みたいなものです。すでにこの印章規定を改定する会社が多い中、なぜ変更をしないのか?それは、社内の改善や上申をすること自体に大きな抵抗やストレス、リスクが伴う可能性があるからです。こういった組織ですと、「古き良き時代」を大切にして、結果、新しいことへのチャレンジや機会を逸してしまいます。

いかがでしたでしょうか。

コロナ禍以降、リモートでの働き方が主流になる中でも、このようなハンコ文化がまだまだ残っています。前例踏襲型へのチャレンジには、「なぜわざわざ紙とハンコが必要なのか…」「ハンコの有用性ってなんだろう..」を積極的に社内で議論する必要があります。まずは前提を疑う。そして議論をする。このプロセスが重要です。一人でもんもんと考えず、グループで意見を出し合って変えていきましょう!

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